治療時期について

治療時期の参考

治療時期マップ

※矯正治療開始時期は、必ずしも表のとおりに進めなければいけないというわけではありません。

検査によって、乳歯列期(早期治療)から始めるよりも成長中期や後期、成長発育終了期から始めた方が、矯正治療終了への近道という方もいらっしゃいます。

必ずしも早期治療がいいというわけではなく、一人一人の口内環境や成長過程に合わせた治療計画が重要になりますので、まずは1度当院にご相談にいらしてください。その人に合った治療計画を立てるためのご案内をさせていただきます。

治療の難易度

一概に「矯正」といっても原因によって、治療と難易度が異なります。

部分矯正

難易度★☆☆☆

通常は、上下20個のブラケットを付けて行う治療と異なり、部分矯正は少ないブラケットで歯ならびを直す方法です。本格矯正の前の下準備だったり、前歯だけをきれいにしたい、軽い出っ歯・八重歯・すきっ歯を直して歯ならびをきれいにしたい、かみ合わせの悪さが軽い方を対象に行うことができます。全体の歯を動かす必要がないので治療期間が短く、期間が短いことで費用も安く抑えられることができます。

ただし、歯ならびの悪さが重度の場合、部分矯正ができないこともあるのでまずはご相談ください。

非抜歯の本格矯正治療

難易度★★☆☆

すべての大人の歯(永久歯)に生え変わった人へ行う本格矯正治療を非抜歯で行う方法です。原則としてすべての歯に矯正装置を付けます。本格矯正は、見た目はもちろんのこと、虫歯や歯周病の予防、全身の健康に大きな効果の期待できる治療法です。

非抜歯で本格治療を行えば、比較的早く矯正を終えることで治療費が安くすることができ、麻酔注射などによる痛みのダメージが少なく、正面の審美性が整いやすくなります。また、非抜歯矯正の最大のメリットは、自分の健康な歯を無理やりに失うことはありません。

抜歯の本格矯正

難易度★★★☆

すべての大人の歯(永久歯)に生え変わった人へ行う本格矯正治療を抜歯して行う方法です。非抜歯の本格矯正治療と同様に、原則としてすべての歯に矯正装置を付けます。
抜歯をするかどうかは、歯のでこぼこの量、前歯を覆う唇の形や大きさを見て、総合的に判断します。抜歯矯正をしなくてはいけない歯ならびを非抜歯で行うと、大幅に歯列を拡大しなければならず、歯が前に出て口元が突出したり、かみ合わせが悪くなったりという悪い結果を招くことがあるので、しっかりと医師と相談することが重要です。

抜歯矯正を正しく行うことで、唇が引っ込むことですっきりとした口元になったり、後戻りしにくく、安定した歯ならびが長続きしやすくなります。

外科矯正

難易度★★★★

外科矯正とは、一般的にワイヤーを使った矯正と組み合わせて行います。通常の矯正だけではじゅうぶんな治療結果が期待できない場合や、あごの大きさや形が著しく異常な状態にある「顎変形症(がくへんけいしょう)」などには、あごの骨を外科的に手術で切って動かすことがあります。これを「外科矯正」といいます。

手術は全身麻酔で行い、多くの場合2~3週間程度の入院が必要となる他、手術後、顔が腫れる(腫れは3~5日くらいでピークとなり、完全に引くまで約1ヶ月~半年程かかったりします)また、大学病院や、一部の専門的な歯科医院でしか行われていないというデメリットもありますが、大きな治療効果が期待でき、矯正の中では唯一保険が適応というメリットがあります。

小児時期に行う矯正の有利性

同じような不正咬合であっても、早め(8〜9歳)にご相談いただけましたら、いい結果となることが多いので、その時期までの検診をおすすめいたします。
時期を逃したばかりに、抜歯治療となるのは非常に残念ですし、成人になって矯正を行うと、期間がかかることで費用も高くなってしまいます。また、噛み合わせが変わることで、顎骨にも影響を与える可能性があります。

このように患者さんにあった治療方法と治療時期を、原因や環境からどのように計画するかが大切です。
そのためには早期相談が最も重要となります。